SONGS

楽曲、歌詞、制作ノート

おてがみ

「元気にしてますか?」。ずいぶん普通の手紙である。 ところが、この歌は少し妙だ。相手に近況を知らせているはずなのに、書けば書くほど、むしろこちらが相手から励まされていく。返事はまだ届いていない。それでも、いつの間にか返事まで成立している。 YouTubeで見る ハロー ハロー ハロー 元気にしてますか? 僕は相も変わらず元気です ハロー ハロー ハロー 君がくれた帽子は 今も大事にかぶっています 夕暮れ時に 吹く風に 時折 孤独に負けそうになるけど Ah 今 君の声が聞こえた 「がんばれよ、負けるなよ!」 ハロー ハロー ハロー 涙なんてものは そう簡単に 拭えはしないけど ボロアパートに 雨吹き付ける夜に 絶望を感じることもあるけど Ah 今 君の笑顔が浮かぶ 「がんばるよ、負けないよ!」 ハロー ハロー ハロー 君がくれた勇気は 今も僕を動かしています ハロー ハロー ハロー 元気にしてますか? 君は 僕の心の中に生きている…

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椅子と彼女

人をイスに喩える。文字にすると、けっこう危ない。 見た目でも、色でも、値段でもなく、「座り心地」でイスを選ぶ。それをそのまま人間に移して、今度は顔でも性格でもなく「居心地」で人を選ぶ。ずいぶん乱暴なアナロジーなのだけれど、この乱暴さを最後まで押し切ったところに、この歌のおかしさと切実さがある。 YouTubeで見る 19歳の誕生日 僕はイスを買った 見た目じゃなく 色でもなく 値段でもなく いくつもいくつも 試してみて 一番 座り心地のいいのを買った 一番 シンプルなやつだった これまで 色んなイスに 座る機会があった 自動車 電車 飛行機 利用者の体を いたわる工夫があった ファミレス 教室 図書館 でも 僕には帰る場所がある どんなに古びて ギシギシ言っても 僕の帰りを待つ そのイスが 一番 落ち着く場所だ それから何年かして 一人の女性に出会った 見た目じゃなく 顔でもなく 性格でもなく 何度も何度も 話してみて 一番 居心地のいい人を見つけた 一番 シンプルな人だった これまで…

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ALLY

宝物を盗んだ怪盗を恨んでいる。ところが、その怪盗が盗んでくれなければ、それが宝物だとは分からなかったとも言う。 だから取り返しに行く。しかも、自分まで怪盗になる。恋敵を相手にした歌なのに、最後に残る言葉は勝利宣言ではない。「Thank you」と「So long」だ。ずいぶん妙な復讐譚である。 YouTubeで見る In the midnight, I happened to be woken up by noisy sound. "Anyone is there?" It said, "mew, mew, mew." How careless! I thought maybe there were only cat. He is famous phantom thief, ALLY! No one knows how many…

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ちゃっきー21

翌年には、もう歌えない。 「ちゃっきー21」という題名からしてそうだ。22歳になったら数字が合わない。誰にでも使える誕生日ソングではなく、ある人が21歳になった、その一日にしかぴったりこない。十二行しかない。でも、それで十分だったのだと思う。 YouTubeで見る ちゃっきー ちゃっき−21 ちゃっきー ちゃっき−21 ちゃっきー ちゃっき−21 おめでとう ハッピー ハッピー21 ハッピー ハッピー21 ハッピー ハッピーバースデー トゥーユー 秋に生まれた 千秋が生まれた 秋は素敵だ みんな秋が好き 千秋が笑えば 千秋の笑顔が 笑顔が素敵だ みんな千秋が好き 曲を読む 最初の四行は、ほとんど名前と年齢だけでできている。 ちゃっきー ちゃっき−21 ちゃっきー ちゃっき−21 ちゃっきー ちゃっき−21 おめでとう 三回呼んで、ようやく「おめでとう」。 何かを説明しているわけではない。 どんな人なのかも、どんな一年だったのかも言わない。ただ名前を呼ぶ。しかも本名ではなく「ちゃっきー」だ。 あだ名というのは、その人についての情報というより、その人との距離を表す名前である。知らない人が見ても何のことか分からない。でも、その場にいた人にはそれで通じる。「21」も同じだ。人生全体から見ればただの数字なのに、その日だけは大事になる。 そして来年には使えなくなる。この歌は最初から、長持ちすることをあまり考えていない。次は、おなじみの誕生日ソングらしきものになる。 ハッピー ハッピー21 ハッピー ハッピー21 ハッピー ハッピーバースデー…

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Maricha

Maricha is surely more charming than before. Maricha is still shining like an autumn sun. But I can’t find her anymore. 前より魅力的になった。いまも輝いている。 それなのに、もう見つけられない。「Maricha」の厄介さは、たぶんこの三行にほとんど出ている。彼女は魅力を失ったわけではない。むしろ増している。それでも「僕」が好きだった彼女は、もういないと言う。 では、いなくなったのは誰なのだろう。 YouTubeで見る Maricha is very simple and has pure heart. She is healthy and active, likes to dance and play volley ball.

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Go Up In The Smoke

「もういいや」と言ったすぐあとに、「もう少しだけ」と言う。 この歌は、ずっとそれをやっている。 終える。止めた。もう駄目だ。分かっていた。時間は待ってくれない。 そこまで言っておいて、火だけはまだ消さない。 YouTubeで見る 人懐っこい 笑顔 ひと夏の恋 朝顔のように 一瞬だけの栄華を 描いた 哀しい映画の ストーリー きっと僕の声は届かない そっと待つのさ 君の返事を 一蹴された未来を 描いた 楽しいはずが 独り とっ散らかった部屋に待たされて どっちが勝ったとか 取り沙汰される どちらかといえば 僕は 負けちゃった方だ まっぴらだった これ以上は 終えよう もういいや もう止めたんだ こうなることも分かっていたんだ 今更 足掻いても 無駄 無駄 止めよう もういいや もう慣れたんだ どうすることもできないんだ 時間って奴は待ってくれないんだ でも 後少し もう少しだけ 燃やしていたい…

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就職活動

応援している。 だから「頑張れ」と言いたい。でも、その人が本当に何を感じているのかは分からない。しかも歌っているうちに、どうも苦しいのは相手だけではなさそうになってくる。「就職活動」は、応援歌として始まったはずなのに、最後には応援している側の寂しさまで隠せなくなる歌である。 YouTubeで見る 街に出る 電車に乗ると リクルートスーツに身を包む人たち 必死に本を読み 新聞を読み 履歴書に 短い自分史を刻む 僕がこうして 呑気な日々を送っている間にも あなたは頑張っているんだろう 僕の声は届いているだろうか? どんなにあなたのことを 応援しているか 気づいてくれているだろうか? 例え 届かなくてもいい 僕だって 何か一つ 頑張ってみようと想うんだ 知らない街 スーツを着て 知らない人に 自分をさらけ出す 時に傷つき 溜め息も出て 疲れ果てる あなたはどうして 自分の将来のためといえども こんなに頑張っているんだろう? 遊びたい時にも 遊べない 休みたい時にも 休めない それは不幸だ どんな 御託を並べても やっぱり それは不幸だ 緊張して 不安は募り 結果を待つばかりの夜 疲れてるのに…

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君の名前

「全然そんなことない」。 この歌は、何度もそれを言う。 名前が自分には似合わない。そんなことない。 ギターが自分の実力にはもったいない。そんなことない。 彼氏と釣り合っていない。そんなことない。 君が自分を一段下へ置くたびに、僕が勝手に元へ戻す。かなり明るい歌だ。そして、かなり世話を焼く。 YouTubeで見る 君に与えられた カワイすぎる名前 そんなズルい 名前 うらやましいな 「私の性格と 適ってないよ」って君は言うけど 全然そんなことない 君は十分 カワイイよ 君が新しく買った カッコ良すぎるギター そんなかっこいい ギターうらやましいな 「私の実力に 適ってないよ」って君は言うけど 全然そんなことない そんなことは関係ないんだよ いつも君は 自分に 自信が無いんだなぁ もっと 自分に 自信を 持っても バチは 当たらないよ 君の その名前を 高らかに唄うんだ 君の そのギターを かき鳴らして 僕がピアノで 伴奏つけてあげる 僕がキレイに ハモってあげるから ねぇ!…

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明日も君に会える

「明日も君に会える」。 それだけである。告白が成功したわけでもない。恋人になったわけでもない。ただ、明日も会う約束ができた。それだけで服の色を悩み、予定表に書き、身体が勝手に踊り、最後には早く明日になれと念じながら眠る。 ずいぶん忙しい「それだけ」である。 YouTubeで見る 「明日も君に会える」って口に出して言ってみたら それだけで なんか とてもたまらなく 嬉しくなるよ 明日も君に会えるって とっても素敵なことだなぁ 明日も「明日君に会える」って言えたらいいな 昨日までは 毎日 雨模様 体の機能まで 異常を観測した だけど 思いがけない 君との約束 それが 今日 君と ランデヴー 「明日も君に会える?」って さり気なく 聞いてみたら 「もちろんだよ」って 君が笑顔で 答えてくれたから 明日も君に会えるって 希望に満ちた言葉だなぁ 週末じゃない 休日でもない 特別な 明日 今日は 結局 言えなかったけど 器用で 気の利いた事は言えないけど だけど明日こそは 君に伝えたいんだ 僕の気持ち 愛…

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笑顔のち夏

「お待たせしました」と笑った人が、夏まで運んでくる。 そんなところから始まる誕生日の歌である。 ところが、歌っているのは夏の明るさだけではない。 季節が変わるのは寂しい。君が変わるのは哀しい。歳を取るのは孤独だ。けっこう怖がっている。それでも最後には、「一緒に歳を重ねていこう」と言う。 夏の歌なのに、ずいぶん遠くまで行く。 YouTubeで見る 「お待たせしました」と君が微笑む 誰もが待ち望んだ 夏の始まり 君がこの世に生まれた時に 夏が始まったんだ 涙で泣き濡れた 春の終わり 忘れてしまえ! 笑顔のち夏 季節が変わっていくことが 寂しいことに思えてたけど だけど 草木も花も鳥も太陽も 当然と受け止めて 毅然と変わっていく 春の次に夏が来るように 僕らも大人になっていく 夏をこよなく愛してる 東京も夏っぽくなりました 落ち込んでる時だって 君が微笑む 誰もが救われる その笑顔に 君がこの世に生きている限り この世界は大丈夫 涙で泣き疲れた 夜も今日で終わり 笑って暮らせ! 笑顔のち夏 君が変わっていくことが 哀しいことに思えてたけど だけど あの頃も今も過去も未来も 全部ひっくるめて 君の側にいたい 君と初めて出会った日が 遠い昔のことのようで 君を誰よりも愛してる 君も大人っぽくなりました…

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真実の口

もう! 気付かなければ良かった と思ったすぐあとで、 でも気付けてよかった と言う。そして最後には、 やっと気付いたんだ もっと早く気付ければ良かった とまで言う。どれなんだ、と言いたくなる。たぶん、どれもなのだ。「真実の口」が歌っているのは、迷いのない真実ではない。気づいてしまったことを後悔し、それでも気づけたことを喜び、最後にはもっと早く知りたかったとまで思う。 その全部を「本当の気持ち」と呼ぼうとしている。 YouTubeで見る 気付いて 隠した 気付かない振りをしていた もう! 気付かなければ良かった 本当の気持ち 気付いて仕舞った 本当は気付いていた でも気付けてよかった 本当の気持ち 伝えたいこと ただ一つ 伝えたい人 ただ一人 だけど だけど 本当のことを言うのは とっても勇気がいることだから 偽る心を持つものが 差し入れたその手首を 噛みちぎるとか噂されている 真実の口 それなら僕は喜んで この手首を差し入れよう 僕が唄うことは 全て真実だから やっと気付いたんだ もっと早く気付ければ良かった もう後戻りはできない 本当の気持ち もう恐れない 真実の口 曲を読む 最初から、気づくという動詞が忙しい。 気付いて…

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渇いた水槽

正体不明の彗星が来る。 心臓は手を叩いて喜ぶ。ところが心の中を覗くと、水槽は空で、猛獣みたいな欲望が底で干からびている。そのあと自分は食材になり、売れ残り、なぜか生き残る。ずいぶん忙しい。「渇いた水槽」は、期待をやめられない人の歌である。 しかも、その期待が自分を食い荒らしているのか、救っているのかまで怪しくなってくる。 YouTubeで見る 正体不明の彗星が 遠くからやって来る 制御不能の心臓は 手を叩いて笑ってる 年中 心の水槽は 空になって渇いてる 猛獣ばりの欲望が 底の方で干からびてる 賞味期限が終わってしまった食材を 放り捨てる 売れ残ってしまった しょうもない期待が 結局この身を巣食う 生き残ってしまった WHY? 思わせぶりのモンスターが ガセをばら撒いてる 正体不明の彗星が 弧を描いて落ちてく 曲を読む 最初の二行から、本人より先に何かが動いている。 正体不明の彗星が 遠くからやって来る 制御不能の心臓は 手を叩いて笑ってる 「正体不明」。まだ何なのか分からない。それなのに心臓は、「制御不能」。こちらが期待するかどうかを決める前に、身体の方はもう喜んでいる。 しかも心臓が高鳴る、ではない。 手を叩いて笑ってる 手なんかないのに。心臓だけが観客になって、遠くから来る何かへ拍手している。かなり浮かれている。何が来るのか分からない。 だから慎重になる、ではない。 何が来るのか分からないからこそ、もう楽しい。その心臓の奥にある景色が、題名の水槽である。 年中 心の水槽は 空になって渇いてる 猛獣ばりの欲望が 底の方で干からびてる 「年中」。 今日たまたま空なのではない。 ずっと空らしい。しかも、水槽の中の何かが渇いているのではなく、 心の水槽は…

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我が奔走

幸福について考えている。 次の瞬間には、「降伏は今日中にお願いします」。同じ「こうふく」なのに、ずいぶん違うところへ来てしまった。そのあとにはアルミ缶とミカンが出てきて、ガセ台を打ち、死神に身を売り、最終的には「無事帰還」する。題名は「我が奔走」。たしかに、落ち着く暇はない。 YouTubeで見る 人波 歩いた 人聞きの悪い噂を聞いた 「人は皆 人並みな 幸福を享受できると信じている」 人ゴミ 嫌いだ 人見知りの傘をさした 一滴 この涙 降伏は今日中にお願いします アルミ缶の上にあるミカン 振りかざす嘘と正義感 この度のことはただ遺憾 ラッキー ガセ台を打った 死神に身を売った 皆が皆 人並みな幸福を享受できるわけじゃねぇ 一夏 しのいだ 瞳閉ざしてみた ひとまず ひどいな 粉を吹くまで長居します 作りかけの歌はまだ未完 わけも無く虚無で空虚感 この旅の果てに無事帰還 Check it! 今日は人の身の上 明日は我が身の上 皆が皆 等しく不幸を享受する権利がある 果てしない努力の末に手にするはずの幸せ 皆が皆 人並みな幸福を享受する保証なんてねぇ 曲を読む 最初の二行には、「人」がやたらといる。 人波 歩いた…

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Life goes on

恋は魔法ではない。 法律でもない。そう言った本人が、少しあとには、 恋のパワー背中に受けて 地球を飛び出せ! と言う。さらに「恋せよ」は法律じゃないと言っておきながら、恋をしない人には、 損だろ 努力しろ! である。全然一貫していない。でも最後には、その分からなさこそが、人生が続く理由になる。 YouTubeで見る 愛とか恋とか言うけれど それは魔法ではない 恋せよ乙女とか言うけれど そんなの法律でもない 知らなきゃ知らない方が身のためって言う 首を縦に振るざるを得ない YES いつも偉そうなこと言うけれど 僕は天才じゃない 世界一でもないから 頭使わなくちゃな 丁とか半とか言うけれど どっちかはもう分からない 恋は盲目とか言うけれど それはBeautifulじゃない? 恋のパワー背中に受けて 地球を飛び出せ! エンドレス自分探しの旅 いつも必需品は 恋だって信じてる YEAH 恋はしないとか言うけれど 損だろ 努力しろ! ちょっとは背伸びしてみろよ まだまだそんなもんじゃない 知れば知る程 分からなくなる 首を横に振るざるを得ない NO! 無知の知とか言うけれど 知らないことばっかじゃない? だから人生は続くのだ YES, my life…

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Beauty is Truth

一秒でも長生きしたい。 だからタバコをやめる。……とは言わない。夜更かしもカップ麺も、 少しだけ 減らす。題名は「Beauty is Truth」。ずいぶん大きい。でも、この歌が実際にやっていることは、わりと小さい。少し健康になる。 少し優しくなる。少し自分を好きになる。そのうち話が大きくなって、「ありのまま」が美しいと言い始める。ところが最後には、「君だけは、そのまま今のままでいて」。少し怪しくなってくる。 YouTubeで見る 君と出会ってから 一秒でも長生きしたいんだ だから タバコも 夜更かしも カップ麺も 少しだけ 数を減らして 規則正しい生活を 心懸けてみる 君が側にいると なんかほのぼのしちゃうんだ だから イライラも 忙しさも しかめ面も 少しだけ 微笑みに変わって 今日も 無事生きていることに 感謝を告げてみる ねぇ ありがと 僕は君といると こんなにも 優しい気持ちになって ありのままで 胸を張って 自信を持って こんなにも まっさらで 新しい自分 十代の煩悩も 愛していく 君を見ていると 君は誰よりも美しいと思うんだ それは…

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vital

一人で走る。 でも、独りでは走れない。 しかも最初は、「取り残されない様に」みんなについて走り出したはずなのに、あとでは、「ムキになって 群れから飛び出してきた」と言う。どっちなんだ。たぶん、どっちもなのだ。 そのあいだを何度もつなぎ直す言葉が、「僕には君がいる」。この歌は、そこへ何回でも戻ってくる。 YouTubeで見る 流れる時間の上に ただ 笹舟の様に流されて 一つの物語が終わる 涙のグランドフィナーレ 小さな歴史のうねりの中に 飲まれて もみくちゃにされて 新しい物語が始まる 終わりはスタートライン わけも分からないまま 合図が鳴って 一斉に動き出す 取り残されない様に 僕も走り出す 見知らぬ人 見知らぬ道 不安で 立ち止まりたくもなるけど そうだ 僕には君がいる そう思えば 次の一歩 踏み出せるんだ 意味の無い繰り返しに 絶望を感じる時 君の笑顔を思い出すんだ YES 僕には君がいる それだけが 今の僕を 支えてるんだ 長い旅路の果てに 安住の地を見つけるまで 僕を支えていて そして いつまでも 僕の側にいて 人生は一方通行に…

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新しい命

最初は、 友達に子供がデキました である。最後には、 友達に子供が生まれました になる。その間に、女の子だと思ったら男の子になり、名前を考えたら決まらず、バカで遊び人だった友達の背中は「父の背中」に見えてくる。ずいぶんいろいろ変わる。でも、生まれることが何なのかは、最後までよく分からない。 分からないまま、「おめでとう!」まで行く歌である。 YouTubeで見る 友達に子供がデキました そいつはとってもバカで 遊び人 だけど どこか憎めなくて 僕の友達 ある時 彼の背中を見かけた時 とっても巨大なものに 思えました 僕が子供の頃 見たことのある 「父の背中」でした 「背負ってるものが お前とは違うよ」って彼が笑いながら言ってた 確かにそうだ! 僕には背負うものはまだない だけど いつかは・・・ 彼の彼女は「火星人」 そういうあだ名で僕らは 呼んでいた だけどこれから こう呼ばれるだろう 「お母さん」 女の子だって分かってから みんなで必死に名前の案を出し合った だけど結局 男の子だって分かって バカな友達(笑) 予定日は 秋と聞きました 秋にちなんだ名前の案を出し合った だけど結局 決まらなくて 名前はなくとも 生まれておいで 生まれることが…

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ともしび

自分は小さな灯火だと言う。 でも、誰も照らせない。 次には木漏れ日になる。 でも、誰の目にも映らない。 そして世界の方は、 眩しすぎて いる。自分の光は足りないのに、世界には光が多すぎる。その間で最後まで残るのが、 今の僕には唄うことしか出来ない だった。「ともしび」は、消えないための方法を見つける歌ではない。消えそうな自分を、消えそうなまま歌にする。 YouTubeで見る 僕は 小さな灯火 今にも消えてしまいそうな 鏡に映る顔 笑ってみたの ひどく痩せ細った 憂鬱 口だけ動かす 作り笑いの僕 誰も照らせはしない 憂鬱 Ah 溢れ出す 胸の中に 僕は 小さな木漏れ日 誰の目にも映らない 横目でちらり 素通りされたの 哀しみの雨が降る 今の僕には唄うことしか出来ない この世界は 僕が生きていくには 眩しすぎて この世界は あまりにも複雑すぎて 素朴なものは否定されてしまう 寒い日の朝 震えてみたの 凍える心は 狂う ひっそりと一人 燃え尽きてみたの 強い風が吹き付ける さよなら…

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秋の終わり

秋が終っていく。 恋も終っていく。何もかも手のひらから零れていく。そしてとうとう、 あぁ 僕を置いていかないで お願い・・・ と言う。 この歌では、物事はただ「終わる」のではない。 終って、向こうへ行ってしまう。ところが最後には、 でも冬も好きだ! である。あれだけ置いていかないでと言っていた本人が、もう次の季節を好きになっている。ずいぶん忙しい無常観だ。 YouTubeで見る また今年も秋が終っていく 跡形も無く秋が終っていく 一番大好きな季節なのに 一番心待ちにした季節だったのに 何かが始まって終っていく あたかも定めの様に終っていく 変わらないものなど在りはしないのだ 全てが僕の手のひらから零れていく 夏の次に秋が来る様に 秋の次に冬が来る様に 季節は僕を裏切らないから あの娘の様に僕を裏切らないから またしても一つ恋が終っていく 跡形も無く恋が終っていく 一番大好きな人だったのに 一番大事にしたい人だったのに 日が沈んで夜が来る様に 夜が明けて朝が来る様に お日様は僕を裏切らないから あの娘と違って僕を裏切らないから あぁ 僕を置いていかないで お願い・・・ 秋葉が土に還る様に やがて雪が降り積もる様に 秋の次に冬が来る様に 冬の次に春が来る様に 季節は僕を裏切らないから あの娘の様に僕を裏切らないから また今年も秋が終っていく でも冬も好きだ! 曲を読む 最初の二行で、同じ出来事を二度言う。 また今年も秋が終っていく…

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冬の鼓動

雪は、最後までまだ降らない。 その代わり、「くしゅん」が響く。白い吐息が空へ昇る。冷たい手を握る。そして、まだ聞こえないはずだった「冬の鼓動」が、いつの間にか君と僕の鼓動になる。未来は不確実なまま。 だからこそ、この歌は何度も、「今」へ戻ってくる。 YouTubeで見る 心に出来た 水たまりには 氷が張っていて 君は子供みたいに それを一つずつ 踏み割ってくれた ふと立ち止まると 全ての音が かき消されてしまった様で 空気は 張り詰めていく 耳を澄ませれば 今にも聞こえてきそうな 冬の鼓動 「ねぇ、今夜辺り降るつもり?」 ピンと張り詰めた 夜空を見上げ 問いかけるんだ 今、「くしゅん」と響き渡る 君のくしゃみが 何故かとても 愛しく思えたんだ 「くしゅん」 何色にも染まっていない 初雪のような 真白い心を持っていて 君は子供みたいに 無邪気に笑って 僕を 溶かしていった 今 僕が描く 不確実な未来に 君を 描き加えてみたんだ 君が刻む 不安定なリズムに 乗せて 僕が唄う! 今 心に降り積もる…

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Promised Land

大きな題名なのに、歌は、 おはようって 言って 今日も 僕の一日が 始まっていく から始まる。約束の場所は「あの日」にもう見つけている。最後には、 約束の場所は今でも 心の中に とまで言う。もうある。もう見つけた。それなのに、 今すぐ飛んで行く と言う。場所の歌なのに、ずっと移動している。そこが Promised Land の少し不思議なところだ。 YouTubeで見る おはようって 言って 今日も 僕の一日が 始まっていく おはようって 笑って その笑顔見せて あの日 僕らが見つけた 始まりの場所は 今も 褪せない 約束の場所 ただ 素直さに向き合って わけもなく涙溢れて 愛しさで心が満たされていく もう何もかも捨て去って この体一つで 迷い晴らして 思いを届けに行く 優しい風 巻き起これ! 今すぐ飛んで行く 約束の場所へと 運んで行く 会いたい 会いたい…

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一歩ずつ

行き先は分からない。 でも、 それが答えでいいから と言う。 何が答えなのかというと、目的地ではない。 ここまで二人で積み重ねてきた時間だ。そして、これからについて決めるのは、どこへ着くかでも、いつ着くかでもなく、 ゆっくり ゆっくり 歩くこと。ずいぶん小さな約束である。 YouTubeで見る ねぇ 夜が来るよ 夕焼けがキレイだね 今日一日 とても楽しかったね ねぇ 側に来て 僕を暖めて 寒い夜だね 風が冷たいね あぁ 二人の向かう先が 何処かは分からないけど 一つずつ僕らが 積み重ねてきた時間 それが答えでいいから ねぇ だから側にいて ゆっくり ゆっくり 歩いて行こう 一歩ずつでいいから 進んで行こうよ 焦らなくたっていいんだから ねぇ 夜が明けるよ 新しい朝が来るよ 今日も楽しい 一日にしようね 曲を読む 歌は夕方から始まる。 ねぇ 夜が来るよ 夕焼けがキレイだね 今日一日…

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はじまり

最初は、 そう 今日 僕は 恋に落ちました 最後は、 確かに 今日 僕は 恋に落ちました である。ほとんど同じ文だ。変わるのは「そう」が「確かに」になることだけ。そのあいだで何をしたかというと、温もりを確かめ、香りを確かめ、自分の胸が高鳴っていることを確かめ、それでも二度、夢じゃないよな、と聞く。恋が始まった日の歌というより、恋が始まったことを現実へ固定しようとする、短い確認作業のような歌だ。 YouTubeで見る そう 今日 僕は 恋に落ちました 理屈じゃなくても 恋は 素敵なもの 目が覚めたら また ひとりぼっち なんてことはないよな この手の温もり 髪の香り 胸の高鳴り 夢じゃないんだよな? 夢じゃないんだよな! 確かに 今日 僕は 恋に落ちました 曲を読む 第一声は、少し変わっている。 そう 今日 僕は 恋に落ちました 理屈じゃなくても 恋は 素敵なもの 恋に落ちました である。 「恋に落ちた!」ではない。 少し丁寧だ。誰かへ報告しているようでもあるし、自分自身へ、はい、今日こういうことが起きました、と言い聞かせているようにも聞こえる。しかも、…

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Thank you,Sunshine

骨まで溶けそう。 肌は焦げる。風が吹けば干涸びそう。太陽は、かなり迷惑である。それなのに、 Thank you, Sunshine! と言う。しかも、そのうち自分まで太陽になろうとし、最後には君の方が太陽より眩しくなる。誰が誰を照らしているのか。だんだん分からなくなる。そのくらい光が飛び交っている歌だ。 YouTubeで見る 今年の夏も太陽は熱く照らして おれは骨まで溶けてしまいそうだ これ見よがしにセミどもがわめき散らして おれも負けじと盛り上がっていこう 先入観 取っ払ったら Woh Woh Woh Then you can 何でも出来る Yeah Yeah Yeah 諦めの言い訳も もうネタが尽きたから 自信家になり ガチンコを燃やし おれは強くなる 恋をした 今おれはキラキラ光ってる? 太陽の様に眩しく君を照らしつける Thank you, Sunshine! お天道様 キラキラ眩しくて 目も眩んじゃう位に この肌焦がしつける I love you so 今 風が吹いた 干涸びちゃいそう…

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ブリブリブルース

呼び出される。 走って会いに行く。振られる。数時間の出来事だけなら、それで終わる。 でも、この曲の頭の中では、土砂降り。 思わせぶり。掟破り。空振り。ゴキブリ。monkey。 猿芝居。と、関係ない言葉まで次々に走ってくる。ものすごく悲しいはずなのに、悲しみより先に韻が出る。本人が後から「自分のセンスを疑う」と書いたのも、まあ分かる。 YouTubeで見る (今日も土砂降り 思わせぶり 掟破り 今日も空振り) 然る後 手に入れた宝物は まにまに let it go 光る watch かさむ money ただのmonkeyさ バイバイ 猿芝居 (しばらくぶり 嫌だゴキブリ 今日も土砂降り) ギリギリの滑り込み サラサラのいい香り 髪 死せる心で 「無理!無理!」 敗れた Baby (寒ぃー)Oh yeah! 高鳴る胸を抑え 走ってくんだぜ (眠ぃー)Oh No! 今更 言えることはあるのか? (ダーリン)Oh yeah! 今 君に…

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どん底

生きたい。 愛されたい。幸せになりたい。本人は、そのたびに、「ただ」。「それだけ」。と小さく言う。 でも括弧の中では、愛をくれ。金をくれ。飯をくれ。夢をくれ。殺してくれ。 ここから出してくれ。救ってくれ。と、声がどんどん増える。何も要らないとも言う。 最後には、 欲しいものはただひとつ 無条件の愛だけ と言う。ひとつなのか。多いのか。もう本人にもよく分からない。その状態が「どん底」なのだと思う。 YouTubeで見る 夜中に目が覚めた いつもの悪い夢 誰かの笑い声 無数の笑い声 暗い部屋 孤独の街 心の闇がずっとおれを呼んでいた 身体の奥の方へ 心を閉じ込めた 心の奥の方で 何かがはじけ飛んだ 許されないことなのか? ただ生きていたい それだけのことなのに 逃げ道が欲しくて 煙で埋め尽くしたって アルコール持ち込んだって どこにも行けやしない 身体は空っぽで 頭はこんがらがって やり場のないこの想い 鮮やかな世界が 灰色に塗りつぶされてく 「私の存在があなたを苦しめる」「私の存在が誰かを不幸にする」 罪深いことなのか? ただ愛されたい それだけのことなのに ある日 信じてたものが 突然 その色を変える ガラガラ音を立て 足下から崩れ去り 右も行き止まり (愛をくれ) 左も行き止まり…

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離れたくない

離れたくない。 もっと側にいたい。もっと話したい。ずっと側にいたい。欲しい時間はどんどん長くなる。 その一方で、一歩も。ひとつも。二度と。一輪も。増えない。 「サヨナラ」はまだ言っていないのに、未来の方はもう止まっている。その時間のずれが、この歌をずっと苦しくしている。 YouTubeで見る 君と離れたくない もっと側にいたい それも叶わぬ夢 まだ話してないことがたくさんあるのに それも言えないまま 身勝手なこの想いが 今日は暗い夜空を駆け抜けて 三日月 飛び越えて 君の元に届いたらいいのになぁ 夢にまで見た 君との未来 もう一歩も先には進まない 焦って もがいても 君の心 遠く離れていく あさっても 来年も 一緒にいられると思ってたのに 今日まで積もった 君との思い出 もうひとつも増えることは無い 君と離れたくない もっと側にいたい それも叶わぬ夢 まだ渡してないものがたくさんあるのに それも渡せぬまま 戻ってきてくれないか 君と一緒に過ごしたあの日々も 今思い出してみれば なんだか夢の中の出来事 考えていた愛の言葉も もう二度と交わすこともない 君と離れたくない もっと一緒にいたい それも叶わぬ夢 身勝手なこの想いは 今日も暗い夜空を駆け抜けて 「三日月」…

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独りじゃない

独りでいることには、慣れすぎた。 でも、独りで老いることには、怯えていた。 「老」が一字入っただけで、ずいぶん話が変わる。今、一人でやっていけること。この先ずっと、一人でいること。前者には慣れた。後者は怖い。 そこへ誰かが現れて、 独りじゃない 独りじゃない 君が好き 君が好き と二度ずつ言う。嬉しい。でも、面倒くさい。そして、信じられない。どうやら「独りじゃない」は、孤独が消えたという簡単な話ではないらしい。 YouTubeで見る 今まで 独りでいることに 慣れすぎた 何をやるにも 自力で こなしてきた 寂しいなんて 思うことも 忘れてしまった でも 僕は 独りじゃない 何だろう この気持ち 面倒くさいような とても嬉しい 独りじゃない 独りじゃない 君が好き 君が好き これからは何をするにも 二人 何か現実味がない 信じられない 信じられない 忘れていた 寂しさが 愛しさが 胸に溢れてきて 独りじゃ生きていけない身体になる 君にふさわしい男になってみせる 今まで 独りで老いることに怯えていた 何をやるにも孤独と闘ってきた 安らげることに…

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君とcaffe

次のバイト。 次のデート。次の記念日。何でもない日。最初は、カフェで働けたらいいな、くらいの妄想だった。 でも君の横顔を見ているうちに、 僕の空想は果てしなく拡がる 本当に果てしなくなっていく。ただし、そこで想像しているのは壮大な人生ではない。コーヒーを飲む。週末を過ごす。顔を見つめる。 何でもない日にも笑っている。ずいぶん小さな未来である。 YouTubeで見る 次のバイトはcaffeにしよう 君と一緒に都心のお洒落なcaffe もしくは君がお客さんで 僕がウェイター 君が学校帰り ふらっと立ち寄って 僕が入れたコーヒーをゆっくり飲む間 君の横顔に見とれてしまう 君があんまり美しいから 時間も仕事も忘れてしまうよ そして店長さんに 肩を叩かれて我に返るんだ だから次のバイトはそんなcaffeにしよう 次のデートもcaffeにしよう 君と並んで都会の静かなcaffe 大好きな君と過ごすSunday 憧れた 窓の外に見える街は賑わっていて 一緒に頼んだカプチーノ ゆっくり飲む間 君の横顔はとっても美しい 僕が角砂糖一つ入れるまで 君の笑顔はそれを溶かしてしまうよ 楽しい時間はあっという間に過ぎるんだ 何気ない週末の静かなcaffe 君の横顔は相変わらず美しい 君があんまり美しいから 呼吸も会話も忘れてしまうよ そして君が僕の顔 覗き込んで我に返るんだ 目の前に君が居る 幸せ 僕の空想は果てしなく拡がる 次の記念日も 何でもない日も いつも笑顔で満ちあふれているよ 僕の心の中は君でいっぱいになるんだ だから僕は誰より一番…

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インスタントライフ

イントロもなく始まる。 後奏もなく終わる。しかも、そのことを最初の一行で先に言ってしまう。ずいぶん構想のはっきりした歌である。なのに人生の方は、 構想もないまま 過ぎていく。歌はきれいに作れる。生活は、そうはいかない。その間で出会った人たちのことを、この曲は歌う。 YouTubeで見る 今 イントロもなく 歌が始まって 後奏もなく 歌が終わっていく 始まりと終わりの間で 出逢った たくさんの人達 誰もが 自分の明日を 予感しながら生きている 宿命を知っていながらも 前向きに生きている ちっぽけな自分ひとりでは 先にも進めなくて 支え合える人がいる喜びが 今日も人を支えている ささいな言葉で傷つけ合った 自分の愚かさに 絶望する それでも側にいてくれた人達が 暖かくて 涙こぼれた ただ インスタントライフが始まって 構想もないまま過ぎていく 始まりと終わりの間で 僕が見つけた たったひとつの答え 誰よりも 自分の価値を 知っている人がいる 寂しさを 分かち合いながらも 寄り添って歩いていく ふるさと 遠く離れて 憧れの街にやってきた 誰よりもかけがえのない人を この街で見つけた…

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Tokyo Walker

このままで。 いつまでも。これからも。そう言って歩き始めた歌が、途中で、 それを抱えて とことん変わっていこうじゃない この街と共に と言う。そして最後には、 いつかまた Tokyo Walker この街で Tokyo Walker 逢いましょう となる。いつまでも一緒なら、「いつかまた」会う必要はない。この曲は、東京の地名をたくさん並べた楽しい街歩きの歌である。でも、その地図をよく見ると、変わらないでほしいものと、変わっていくものが同じ道を歩いている。 YouTubeで見る 僕たちは Tokyo Walker どんな時もTokyo Walker いつまでも Everybody is Tokyo Walker これからも Tokyo Walker よろしくね 飛び乗った電車は 新宿行き 今日の待ち合わせは ハチ公前 混み始めた電車は 下北沢 今日も人が行き交う 渋谷の交差点 タワレコの脇を抜ければ 明治通り オシャレな服屋を横目で チラり 素通りして クレープの匂いと 群がる若者達 ヒルズの前で一休み…

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しあわせ

笑っている。 なぜかは分からない。 でも、見ているとこちらまで楽しくなる。 泣いている。やっぱり理由は分からない。 でも、こちらまで悲しくなる。 この歌は最後まで、君のことを分かったとは言わない。それなのに、 あぁ 君の幸せは 僕の幸せ とは言えてしまう。分からないことと、分かち合えることは、どうやら別らしい。 YouTubeで見る 何が楽しくて 笑っているのかは 分からない だけど 君を見ていると 僕まで楽しくなってくるよ あぁ 君の楽しみは 僕の楽しみ 何が悲しくて 泣いているのかは 分からない だけど 君を見ていると 僕まで悲しくなってくるよ あぁ 君の悲しみは 僕の悲しみ あぁ 君よ 泣かないで 笑顔を見せて 今日も 笑ったり 泣いたりできるのは 幸せなことなんだなぁ 君の 笑顔も 涙も そのすべてが 僕の宝物だよ 何が嬉しくて はしゃいでいるのかは 分からない…

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ソフトボール応援歌

サンキュー。 三球。オーライ。イッツオーライ。ドンマイ。転ぶ。 三振する。トンネルする。でも最後まで、勝った、とは歌わない。代わりに残るのは、 イッツオーライ! である。 この歌が応援しているのは、失敗しない君ではない。 こぼした君。空振りした君。転んだ君。三振した君。トンネルした君。 そのたびに、まだこっちにいるよ、と皆で声を返す。ずいぶん短い歌だけれど、それで十分なのだと思う。 YouTubeで見る 「サンキュー!」フライで「オーライ!」 こぼしてもドンマイ 君の後ろに皆がついてる 空振りもオーライ 転んでもドンマイ 泣くこともない 恥じることない 頑張る君が好きだよ 三球三振 イッツオーライ ゲッツーでもドンマイ 君の分まで皆で頑張る 空回りもオーライ トンネルでもドンマイ 急ぐことない 焦ることない いつだって応援してるよ イッツオーライ! イッツオーライ! イッツオーライ! イッツオーライ! 曲を読む 最初から、声が飛び交っている。 「サンキュー!」フライで「オーライ!」 こぼしてもドンマイ 君の後ろに皆がついてる 空振りもオーライ 転んでもドンマイ 泣くこともない 恥じることない 頑張る君が好きだよ まず、 「サンキュー!」 である。そして少し後には、 三球三振 が出てくる。サンキュー。三球。文字にすると意味はまるで違う。でも音はかなり近い。…

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Synchronicity(Demo)

違って当たり前。 でも、たまに、ピタリと合う。 同じ時。同じタイミング。笑い声まで重なる。それを、 奇跡のハーモニー と呼ぶ。ずっと同じだから一緒にいる、ではない。 違う二人なのに、ときどき一致する。その「ときどき」を、この歌はかなり大事そうに抱えている。ただし、そこから願いは急に大きくなる。君の夢を、全部。 二人のことを、すべて。違って当たり前と言った人が、全部共有したくなる。なるほど。それはたしかに、欲張りなのだと思う。 YouTubeで見る あぁ 清らな香りに導かれて 音もなく 自然に始まってゆく物語 あぁ 「ありがとう」 心から言えるよ こんな素敵な笑顔に今出会えたこと 僕の夢を 捧げるのは 君しかいないと決めた だから 夢の脆さ 時の重さ 忘れさせてくれるよ 君が笑うと 僕が選んできた全てのことが 正しかったように思えるんだ 後悔など一つもない 君の前では どんな辛いことも 悲しいことも ちっぽけなことに思えてくる 何気ない仕草が 僕を笑顔にさせるよ あぁ 違って当たり前なんだろうけど たまにほら ピタリと符合する 二つのメロディ あぁ 同じ時 同じタイミングで響きあう 笑い声 奇跡のハーモニー 欲張りだと 笑うけれど…

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In my life

やる気を出す。 勇気を出す。元気を出す。全力を出す。結果を出す。 この歌では、気分も成果もずいぶん簡単に、「出す」。 元気だから動くのではない。 とりあえず元気を出して、乗って、歩いて、道草を食って、ギターを鳴らして、踊る。それでも心の中では、 いつかは弾ける 始まりの予感 まだ「予感」である。外側はもう騒がしい。内側は、まだ始まるかもしれないと思っている。その少し変な時差から、この歌は始まる。 YouTubeで見る In my life 朝から やる気を出して たまにはその気になって 端から調子に乗って 訳なく強気になって ココイチ 勇気を出して モリモリ 元気を出して ときめく トレンドに乗って 欲望もむき出しにして In my life 雨なら 電車に乗って 晴れたら 原チャに乗って あちこち歩きまわって たまには 道草喰って 嫌なこと 忘れちまって いつもの笑顔になって 一日 全力出して 見事な結果を出して In my life 頭の中では 心の中では…

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フレッチャー

踊れ。 上れ。逃げるな。全部忘れろ。感じるままに。好きなように楽しめ。 ずいぶん自由な歌である。そして、ずいぶん命令が多い。 楽しんで As you like と言いながら、帰ろうとする人まで指さして、 逃げるな!メガネ と呼び戻す。好きにしろ。ただし、帰るな。この少し無茶な参加への熱意が、「フレッチャー」の勢いを作っている。 YouTubeで見る 澄んだ音で Clap your hands 手を鳴らせ Boys & Girls 済んだことは Slip your mind 今ここで Wash away さぁ!皆踊れ 音に溺れ 恥も捨てて ありのままに Coming up 踊れ! ステージ(ここ)に上れ 全部忘れて 感じるままに なんだかんだで Happy life 楽しんで As you like さぁ!皆踊れ 音に溺れ…

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あの日あの時さよなら

誰もいない。 でも、あなたとふたり。 同じ部屋。同じ街。同じ「誰にも見つからない」。二度目には、あなたはひとり。ほとんど同じ言葉を繰り返しているだけなのに、場所の意味がまるごと変わる。 そして最後まで、なぜそうなったのかは分からない。 この歌は「さよなら」を説明する歌ではない。 説明できないまま残った「さよなら」に、何度も戻ってくる歌だ。 YouTubeで見る 誰もいない部屋に あなたとふたり 誰もいない街に あなたとふたり 誰もいない世界 あなたとふたり 誰にも見つからないように ふたり いつまでも続く 夢の途中で さよならさ 誰もいない部屋に あなたはひとり 誰もいない街に あなたはひとり 誰もいない星空 あなたはひとり 誰にも見つからないように ひとり どこまでも続く 道の果てに さよならさ いつまでも続くと思っていた なのに ただどこまでも続くと思っていた なのに なすすべもなく 終わりをつげる あなたに さよなら 片道の旅路の上に そっと 取り残されてしまった 忘れ物 ああ 深い闇 手探り まだ探し続けている…

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女心

忘れたい。 でも、忘れないで。 心は冷めていく。でも、燃える。生まれ変われる。たぶん。痛い。 でも、ほんの擦りむいただけ。 この歌は、何かを決めるたびに、その決定をすぐ反対側から揺らす。最後には自分で、 裏腹な願い と名づける。だから「女心」の中心にあるのは、気持ちが分からないことではない。反対向きの気持ちが、どちらも本当であることだ。 YouTubeで見る Ah 私のこの身体は Ah あなたのモノじゃないわ Ah 渇いたこの心は 虚しく 冷めていく 優しい言葉も 耳をすり抜ける 朝になれば 生まれ変われるわ たぶん… ただ 揺れる 踊る 騒ぐ 孤独 Lonely lonely my heart 攻める 守る 逃げる 遊ぶ 女心は 今 触れる身体 透ける 私の白い肌 あなたがまたくれる痛み ほんの擦りむいただけ Ah 子供の頃のように Ah 無邪気に生きられたら…

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disturb

息もできない。 やっと一つの愛を終わらせる。すると、息もつかないうちに、次の愛を誓う。これで決まったのかと思えば、また、息もできない。「disturb」は、二つの愛のどちらを選ぶかという歌というより、選んでも、待っても、誓っても、心の乱れが止まらない歌なのだと思う。誰にも邪魔されたくない。 でも、誰にも安らかにはしてもらえない。 かなり困った場所にいる。 YouTubeで見る 今だけは 果てぬ想いに 身を委ねて 綴る私の物語 愛し合い 時を忘れて 身を重ねて 眠る夜を 夢に見てたの そっと 髪を撫でて 口付けて 紅 黄昏 蒼い星空 二つの愛に挟まれて 息もできない程に 鼓動揺らす あなたの愛に絆されて 止めどないこの想い あなたを愛してるわ Please don’t disturb me. Nobody can give me a ‘rest in peace’. いつまでも 燃える想いに 冷めて散った 遠いあなたの横顔 いつの日か 帰るあなたを 待っているわ…

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明日を待ってる

人の目を気にせず生きられたら、いいのに。人の目を気にせず愛し合えたら、いいのに。転んでもすぐ起き上がれたら、いいのに。 でも、できない。 そこで最後に出てくるのが、 無理はするな いいさ 明日を待てばいいさ である。理想どおりにできない今日を、明日までに直せとは言わない。まあ、いいさ。明日で。この歌の力の抜け方は、そこにある。 YouTubeで見る 我が道を行くと決めたはずなのに 気がつけば評価を求めている 人の目など気にせず生きられたらいいのに それでも顔色伺っている それはそれでいいか? 下らない夢と諦めたはずなのに 気がつけばまだ追い求めている 目をつぶって心を閉ざしてしまうのではなく それでも好きなモノは好きと 胸を張って言いたい 僕は君のことが好きで 君は僕のことが好きで 見上げれば空には月で いつもと変わらない月で 自分のペースでやれよ 気楽に構えていけよ 余裕かましてコケろ 気分上々 いつも心に音楽を 人の目など気にせず 愛し合えたらいいのに それでも噂を恐れている 何度転んだってすぐに起き上がれればいいのに 立ち上がることを恐れている 無理はするな いいさ 明日を待てばいいさ 曲を読む 最初から、自分で決めたことを守れていない。 我が道を行くと決めたはずなのに 気がつけば評価を求めている 人の目など気にせず生きられたらいいのに それでも顔色伺っている それはそれでいいか? まず、 決めたはずなのに である。我が道を行く。もう決めた。それなら迷わなくてよさそうだ。…

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元気日和

僕はこんなにも元気だよ 最初から、そう言う。 そして最後には、 僕はもうすっかり元気だよ と言う。なるほど。元気になったらしい。と思ったところで、もう一行。 僕は相変わらず元気だよ 相変わらず?では、最初から元気だったのか。元気になったのか。ずっと元気だったのか。どっちなんだ。 たぶん、この歌では、どちらかに決めなくていい。朝日の下で何度も「元気だよ」と言っているうちに、その言葉と身体の距離が少しずつ変わっていく。「元気日和」は、その一日の歌だ。 YouTubeで見る お日様太陽燦々 お日様見て 僕はこんなにも元気だよ お日様さん SUN 太陽 お日様来て 今日も一日を始めるよ 今は足りないものばかりが目に付くけれど それでもいいさ 僕は僕だ だから焦ることはないさ いつか辿り着けるその時まで 気楽に行くのさ お日様さん SUN 太陽 お日様聞いて! 僕はこんなこと思ってるよ お日様さん燦々 態度を改めて またゼロから始めるよ 君はなりたいものになろうと頑張ってるから 僕が背中を押してあげる だから焦ることはないさ 君は独りじゃない お日様も 君を見てるよ 明日もハレルヤ! お日様燦々燦々 お日様浴びて 今日も一日が始まるよ お日様 さんきゅー 太陽 お日様見て!…

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I love you, I need you

君が歌う。 それを聞いて、希望が顔を出す。夜が明ける。そして、 今 僕も 歌い出すよ 僕も歌う。この歌では、自分一人の決意から何かが始まるのではない。誘われる。運ばれる。憧れる。 必要とする。そうやって誰かに動かされた人が、やがて自分でも、夢を描く。現実に変える。歩き出す。 でも最後まで、I need youは消えない。自分で歩けることと、誰かを必要とすること。どうやら、その二つは同時にあっていいらしい。 YouTubeで見る 君の歌声に 誘われて 希望が 顔出した 君の歌声に 運ばれて 夜が 明けてゆくよ 君の歌声は 優しくて 笑顔が あたたかくて 君の歌声に 憧れて 今 僕も 歌い出すよ ああ 僕の来た道を 振り返り 嘆くのは たやすいけど ああ 君とゆく道が もうすでに 目の前に あることは 誰も 知らないだろう I love you, I need…

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茜空

ガラクタだった。 宝物だった。どっちなんだ。たぶん、どっちもなのだ。悲しみは、いつか癒える。本当にそう言えるのか。 いつか、すべてを許せる。それも本当に言えるのか。それでも、さよなら言わなきゃ。会いにいかなきゃ。自分を愛さなきゃ。 もっと強くならなきゃ。 「茜空」は、何かを受け容れ終えた人の歌ではない。 まだ自分を急かしている。まだ迷っている。それでも、空の色が消える前に、どちらかへ身体を向けようとしている。 YouTubeで見る 生まれたてのような朝に 寝ぼけたままの目をこすり 夢の続きのような心地 君と出会った 昼下がり 始まりと終わりの不思議 日々が奏でる物語 狂い咲いた夏の終わり 波音がさらうよ いつかは悲しみも癒えると 言い得るの? 今何も望まない… ガラクタだった 宝物だった 日々にさよなら言わなきゃ 吹き荒れた土砂降り すべてを洗い流した 雨のち晴れて 愛を誓って 君に会いにいかなきゃ 燃えるような茜空 消える前に 生まれた時はゆりかごに 死んでしまえば みな墓に 命を巡る物語 君を愛してるよ いつかはすべてを許せると 言い得るの? 何もかも受け容れて… 日々の静寂に大人になった 自分をもっと愛さなきゃ 滅入りそうな坂道 上り下り生きてきた 弱虫だった 羨ましかった もっと強くならなきゃ 背を向けた逃げ道…

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receptor

もう二度とは戻らないとしたら そして少し後には、 もう二度と 立ち上がれないと思う時でも もう二度と。もう二度と。戻らない。立ち上がれない。 ところが最後には、 歩き出すもう一度 となる。「もう二度と」から、「もう一度」へ。失ったものが戻るとは言わない。悲しみが消えたとも言わない。それでも、自分はもう一度歩けるかもしれない。 receptor は、そのくらいの変化を受け取る歌なのだと思う。 YouTubeで見る あぁ なぜ 木々は何も語らないのかな? あぁ 風吹かれるまま 揺れてるのかな? 失われる悲しみも 消えゆく灯火も 愛し合う二人の終わりも 別れゆくことの意味も 分かり合えずの夢も もう見たくもない あぁ ただ 季節は巡り巡るのかな? あぁ ただ 生命は繰り返すのかな? あれほど時間をかけて 積み上げてきたもの もう二度とは戻らないとしたら 失われた物語 夢の続きを 誰も詠むことはない やりきれない悲しみも 行き場のない怒りも 草木のように そっと受け容れて あるがままにすべて 許し認めて また会える日まで 過酷な旅の途中で 力尽き もう二度と…

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さよならは目の前に

会いたい人は、目の前にいない。 でも、 さよならは目の前に まだ別れてもいないのに、さよならだけは見えている。 相手が何かを告げたわけではない。 ただ、少し大人びて見えた。それだけで、 あぁ僕は取り残されていく… と思ってしまう。この歌で怖いのは、別れそのものより、自分が同じ場所にいるうちに、相手の時間だけが先へ進んでしまうことなのだと思う。 YouTubeで見る いつも心の支えだった あの人は今何を想ってるんだろ? 「あなたに会いに行きたいけど うまい口実が見つからない」 あの頃の僕はひたすらシャイで 自分でももどかしくて そんな自分が悔しくて そんな思いが涙に変わる 2つも年上だととても大人に見えるんだよ 二人で写真を撮ったことも今は夢のよう すっかり落ち着いて余計に大人びて見えるよ あぁ僕は取り残されていく…さよならは目の前に 人生ってとても気の張るものだけど あなたといれば悩みごとも消えてしまう 苦しくなった時はいつもあの人を想ってたんだろ? 気づいた時にはもう遅い…さよならは目の前に さよならは目の前に 曲を読む 最初の二行から、時間が少しずれている。 いつも心の支えだった あの人は今何を想ってるんだろ? まず、 いつも心の支えだった である。 だった 過去形だ。そして次の行には、 今 がある。あの人は、今、何を想っているのか。支えだった時間はすでに過去へ置かれ、僕だけが現在から相手の心を想像している。ただし、関係が終わった、とはまだ書かれていない。さよならも起きていない。 それなのに文法だけは、少し先に別れ始めている。そして呼び方は、 あの人 である。少し遠い。ところが次の二行だけは、鉤括弧に入る。 「あなたに会いに行きたいけど うまい口実が見つからない」 ここでは、 あなた になる。外側から語る時には、あの人。心の中では、あなた。距離が急に縮まる。…

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